この記事では、サラリーマンが副業で参入しても戦える市場、サラリーマンだからこその強みを活かせる分野、について書きます。
副業といえども「業」ですから。結果として報酬を得られなかったら、それはただの自己満足でしかないわけで。
私がやっているアフィリエイトは手軽に始められる副業です。やること自体は、ブログを作って情報発信する程度。ブログなんて、いまや学生でもやっている簡単なことです。
とはいえ、インターネットの大海の中で人々から認知されなければ、存在しないのと同じです。認知されたとしても、価値を提供できなければ、報酬を得ることはできません。
なので、これから副業で参入して勝ち目があるのか、と不安に思うのも当然でしょう。インターネットは強者一人勝ちの世界といいます。強力なライバルがうようよいるレッドオーシャン、専業でやってる人達にかなうわきゃない、と。
しかし! サラリーマンだからこその強みもあるのです。
もちろんサラリーマンなりの弱みもあるのですが、これを理解した上で取り組めば、アフィリエイトで毎月数万円、数十万円の報酬を継続的に得ることは可能と断言します。
では、サラリーマンの強みを活かし、専業者にも負けない方法を詳しく紹介します。
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はじめに
この記事では、
という話をします。
<就業規則では副業はこう定められている>
厚生労働省の「モデル就業規則(旧)」では、副業は会社の了承が必要となっていました。
私の勤務先の就業規則も、2018年現在、ほぼ同じ内容です。
(遵守事項)
第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。
⑥許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。
(懲戒の事由)
第64条 労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。
⑤第11条、第12条、第13条、第14条、第15条に違反したとき。
この「モデル就業規則」は、2018年に変わっています。
なので、私の勤務先のも変わるかも知れません。
2018年版「モデル就業規則」の第67条(下記)では、副業は事前届出制で、さらに会社による制限が可能になっています。
(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合
事前許可制からが届出制に変わりましたが、会社に拒否権があります。
会社のスタンスが変わったように見えて、実際の運用は以前と同じですね。
規則を作る側の偏見
ちなみに、厚生労働省のモデル就業規則には、副業・兼業に関する裁判例が掲載されています。
小川建設事件(東京地決昭和57年11月19日)
毎日6時間にわたるキャバレーでの無断就労を理由とする解雇について、兼業は深夜に及ぶものであって余暇利用のアルバイトの域を超えるものであり、社会通念上、会社への労務の誠実な提供に何らかの支障を来す蓋然性が高いことから、解雇有効とした事案。
この裁判例の記載がイヤラシイですね。「社会通念」という便利な言葉の裏に、キャバレーという職業への偏見を感じます。
キャバレーに飲みに行くのはいいけど、飲ませる方の水商売は許さんぞ、と。
早朝のジョギングはいいけど、夜はさっさと寝ろ、と。
こういう考えの人達は、きっとインターネットビジネスに対しても偏見がありそう。
「社会通念上、会社への労務の誠実な提供に何らかの支障を来す蓋然性が高い」という理由で解雇されそうな気がします。
こんな偏見の土俵にのって不毛な議論をするより、はじめから副業を届け出ないほうがいい。
就業規則は守らないといけないのか
就業規則は単なる契約です。労働契約の一部です。違反しても刑事罰はありません。
私の立場は、ルールを守るか守らないかは、結果責任を自覚した上で個人の自由意思によるべき。
私的な契約だろうが、公的な法律だろうが、同じです。
だから、ルールに従うか背くか、どちらが得策かを自分で考えて行動すればよい。
就業規則は会社を守るためにあるのです。
社員を守るものではありません。
私自身、会社側の立場で社内規定を整備したこともありますし、人事部門の経験もあるのでよくわかります。
就業規則は、労使紛争に備えて、会社を守るために会社が一方的に決めるものです。
就業規則通り副業を届け出た場合、メリットが全くない上に、デメリットしかありません。
会社にとってもデメリット、届け出た社員にとってもデメリット。
逆に、届け出ない場合は、ばれた場合に何らかのデメリットが発生する場合があります。
繰り返しますが、このブログでは、建前論ではなく、現実の話をします。
ルールは守るためにあるのではなく、使うためにあります。
自由に生きたいならルールを作る側になるのが一番です。
しかし、勤め人の道を選んだ以上は限界があります。
もし上記のようなモデル就業規則の下で働かなければいけない場合、ケース別の結果は以下のようになります。
届け出た場合
会社の管理者:対応が面倒
会社の同僚:和を乱す人への白い目
あなた:説明が面倒、マイナスのプレッシャーを受ける、副業を禁じられることも
届け出ない →後でばれた場合
会社の管理者:対応が面倒
会社の同僚:和を乱す人への白い目
あなた:気まずい、禁じられることも
届け出ない →ばれない場合
会社の管理者:影響なし
会社の同僚:影響なし
あなた:普通に副業ができる
起こりうる結果を含めて比較したら、わざわざ届け出る理由が見当たりません。
実は、この表の外には「副業をやらない」「会社やめて起業」という選択肢もあります。
でも、そんな奴隷の道は論外。
あとでばれた場合のリスクを自己責任で引き受ける覚悟をもって副業をやるしかないと思うのです。
ばれた場合のリスクといっても、勤め先への事前届出が事後届出になるだけのことです。
まともな会社であれば、単に「筋を通さなかったこと」を理由に処分はしません。
最後に
私が内緒で副業をする目的の一つは、「職場の和や秩序を乱さないように」するためです。
カミングアウトにはデメリットしかないので。
それでもばれたなら、勤務先に
事前に届け出てなくて、すいません。
で、何か会社に迷惑かけましたか?
処分を受けるほどの損害を会社に与えましたか?
と聞くだけです。
それでも処分を受けるような会社であれば、なおさら内緒で副業に精を出し、いつでも退職できるように備えておくべきですな。
もちろん、会社の秘密を漏洩するような記事は書かないということは当然、という前提ですよ。
世の中は副業解禁の流れにあります。それなのに、副業はオープンでなく、内緒にすべきなのでしょうか?
答えは「Yes、Yes、Yes !」
シークレット副業を勧める理由を、私の痛々しい経験も交えて、考察してみます。
《当初は堂々とやっていたものの》
自己紹介記事でも書いたように、サラリーマンとして副業を始めた当初は、隠そうという意識はありませんでした。自分の知名度を上げてお客を集めようと、実名&顔出しでおおっぴらにやっていました。そのほうが信用されるだろうと、マーケティングの実践書に沿った形でやっていたわけです。
とはいえ、勤め先の人達を勧誘したり、職場で別の仕事をしていたわけではありません。公私の分別はわきまえています。しかし、
「今日は帰るの早いね、どうしたの?」
「これから別の仕事があるので、残業なしで失礼します」
「へえ、副業かい。何してるの?」
と、これくらいの会話はしていました。
《失って、初めて気づいた関係性》
副業を隠すつもりもありませんが、勤め先の人に聞かれてわざわざ説明するのも面倒なのものです。丁寧に説明すればするほど、互いに距離を感じてしまうといいますか。そうすると、説明が言い訳がましくなってしまい、自分で罪の意識すら感じてしまうようになる。精神的にも良くないです。
当時は私も若かったので、「会社の人達はみな同じ目標に向かってがんばるべきだ」という虚構を信じていました。実際はそんなことはありません。会社で働く事情は人それぞれです。自己実現のため、給料のため、キャリアアップのため、あるいは単なる惰性、などなど。それでも一応は、愛社精神やタテの関係を演じておかないといけないわけで。
その中で「副業やってます」宣言をすると、周囲との関係性が必要以上に変化してしまう。自分を正当化するような説明をするうち、社内では「意識たかい人」というポジションになる。自分でもそうあらねばという意識になり、ますます変化は加速していきます。
その結果として起業、退職にまで行き着きました。別に後悔はしていませんが、周囲に虚勢を張る苦しさを味わう必要はなかったかと思います。私は鈍感なほうですが、周囲に気を遣う人だともっと大変でしょう。
《痛い変遷を経て現在》
起業〜退職してぐるっと回って、またサラリーマンに戻った今、副業はもちろんシークレットです。勤め先の関係者はもちろん、友人・知人にも言っていません。
以前と比べて精神的に楽なばかりか、逆に大きな安心感を得られています。
→自己紹介へ
【内緒にして良かったこと】
《周りとのコミュニケーションが楽》
まず、上司や同僚の立場で考えてみましょう。人は、自分と共通点を持つ人に親近感を覚えるものです。同じスーツ姿、社内用語を使うことで生まれる仲間意識。ラポールが築かれ、コミュニケーションが取りやすくなります。
そこに「副業やってます」の人が出現するとどうなるか。余計な情報を与えることで、「この人なんか違う」で、互いに居心地が悪くなり、関係が気まずくなります。仕事の能率が下がったり、コミュニケーション不足からトラブルを起こしかねません。
職場でよく聞く「会社は給料上げてくれないなあ」「変わらなくて嫌になっちゃうよ」とか言うグチにも、適当に相づちをうっておけば、それで皆ハッピーなのです。ほとんどの人にとっては「変わらないこと」=「安定感」が彼らの幸せなのですから。周囲の人達に副業を勧める必要は全くないし、副収入に対して嫉妬されます。
ちなみに脱線しますが、日本の国民的なアニメとして頭に浮かぶ「サザエさん」「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」。どれもお父さんがサラリーマンの設定です。しかし「ちびまる子ちゃん」の父ヒロシの職業は謎とされています。まるこちゃんのモデルである作者、さくらももこさんの父は実は八百屋。しかし、マンガの登場人物は自営業でなくサラリーマンにしたかったそうです。でもわからないから仕事のことを描写しなかったという事情があるらしい。
たいがいの日本人は子供の頃からこういうアニメを見て育っています。知らず知らずのうちに自分の人生の設計図まで書き換えられてしまうので注意したいものです。
《勤め先との関係が悪化しない》
いま、日本の会社の態度は様々で、「副業黙認」「副業解禁」「副業歓迎」いろいろあると思います。しかし、従業員の立場で、勤め先企業の社風を積極的に変えようなどと思う必要はありません。それは経営者や人事部門の仕事です。
しかし普通の会社には、社員の副業を積極的に扱うなんて無理でしょう。「昇給できないから副業で稼げ」程度の位置づけです。
私自身が痛感していますが、収入を増やすなら、勤め先で給与を上げる努力をするより、残業やめて副業に時間を使ったほうがはるかに楽で簡単です。月5万円程度の副収入なら、半年ほどで実現できます。こういうことが社員にバレて、みな副業を当たり前にするようになったときに、日本企業の生産性も上がっていくのかなあと思います。
話がそれましたが、就業規則や表向きの建前はどうあれ、会社にとって、「副業してます」と主張さえしなければ、会社にとっては無害。問題が存在しないのも同じです。
→就業規則違反では?の記事へ
無駄に波風を立てる必要はありません。事なかれ主義、バンザイ。勤め先企業内の私と、副業をやっている私は、別人格でよいのです。
《言いがかり被害を避けられる》
「副業してます」とオープンにしている状態で、本業の勤め先で失敗をやらかしたとします。
すると、
「別のこと考えてたからだろ」(取引先とのトラブルのことを考えてるのに)
「夜中まで副業やってボーっとしたからだろ」(子育てや親の介護だったら、同情されるのに)
その失敗が副業と関係なかったとしても、副業のせいにされてしまいます。「介護や子育て=良いこと」「副業=悪いこと」の無意識の価値観が、バイアスになってしまうようです。
《経歴のリセットがしやすい》
この点は、脱サラしてまたサラリーマンに戻った私が痛感していることです。
一生を会社員として過ごすわけではありません。人生は二毛作、三毛作。将来もどうなるかは予想できません。
しかし、インターネットで実名をさらして活動したなら、記録は自分が死んだ後まで残ります。自分がアピールしたい経歴を、自分でコントロールできなくなるのです。よほどの覚悟をもってすべきです。
《副業の邪魔をされない》
勤め先の上司も同僚も、みなサラリーマンです。人は、自分と異なる価値観の人に対し、否定的なアドバイスをしてしまいがちです。
彼らの言葉は
「インターネットの仕事なんて虚業だろ」
「そんな簡単に儲からないから、やめとけ」
みな親切心から出る、ありがたいお言葉なのですが、大きなお世話です。いちいち対応していると、自分のモチベーションが下がります。
ですから副業に関する話は、出す必要もないし、出すとデメリットだけ。コーチング系の理論でいう、ドリームキラー対策「自分の夢は人に言うな」です。
《自分の心に余裕ができる》
いろんな選択肢があることは、余裕と幸せにつながります。
それをあえて相手に言わないことで、相手に対する優越心を持って接することができます。心の余裕に繋がります。
「君たちとはレベル違うのだよ」
「この人はわかっていないのだな」
こんな台詞を実際に口に出したら、高慢な人みたいですね。でも、もし職場で理不尽に怒ってる人がいたとしても、自分の心の中でこうつぶやけばいいのです。子供に接するように、高い視点から、広い心で対応する余裕が生まれるものです。
【でも、内緒だと、ここがつらい】
《話し相手ができない》
副業は内緒と言いつつ、「誰かの共感を得たい」という欲求は私にもあります。同じような状況の人と話すと嬉しくなりますし、前向きの刺激を受けます。何かしら課題に立ち向かうときには、ライバルや仲間がいたほうが、励みになることも事実です。
同業の集まりやセミナーに参加できればよいのですが、今は海外在住なので、なかなか難しくなりました。そこで副業仲間がほしいというのが、このサイトを立ち上げた理由でもあります。
《副業の分野が限られる》
シークレットを前提とすると、どうしても活動に制約ができます。これについては、仕方ないですね。勤め先に内緒にするメリットの方が大きいです。
【終わりに】
多くの場合、副業が知れることは、悲劇の始まりとなります。バレて良いことは何もないうえ、後戻りもできません。
副業を内緒で、というのは、会社の体質が変わるかというレベルの問題ではないです。経営がいくら旗を振ったところで、管理者たちや一般社員までの考え方は一朝一夕には変わりませんから。もっと根深い「同質性を尊び、異質を排除する」日本の社会が変わるまで、サラリーマンの副業はシークレットが得策と思うのです。
いつか、「多様性を尊び、事なかれ主義を排除する」社会になれば、変わるかもしれません。でも、私はいまの日本社会も好きです。だから、皆が幸せになれるシークレット副業にいそしむのです。